初回のオンデマンド講義(1)をアップ –QuickTimeによる講義動画作成

ようやく初回のオンデマンド講義(1)「映像表現と科学技術コミュニケーション」をアップできました。これからオンデマンドの講義を作成するにあたり、どのような手法が一番良いのか手探りだったので、結構時間がかかりました。
以下、この授業を履修している学生にはあまり関係ないのですが、ビデオカメラを使わずに動画を作る方法といえなくもないので、やや詳細にメモしておきます。

MacでのQuickTimeによる画面キャプチャでの作成

今回はMacで作りました。PowerPoint、ZOOM、Quicktimeによる画像キャプチャ(詳細な方法はこちらをご参照ください。macOS Mojaveではもっと簡単になっているようです)、それに仮想オーディオデバイスであるSoundflower、Ladiocastを組み合わせて、AdobeのPremiereProで編集しました。しかし、かなりややこしいので、この方法は他の方にはあまりお薦めできません。
なぜこんなにややこしい方法かというと、映像が専門である私が授業する場合はPowerPointに埋め込まれた動画音声を流しながらそれに対して自分がコメントするというスタイルが多いからです。そのため音声を、PCからと、自分のマイクと、2系統から収録する場合は、SoundflowerとLadiocastのような仮想オーディオデバイスがどうしても必要です。※いまはBlackHoleというのもあるようです。

ZOOMでe-learning動画作成はできるか

ZOOMによる1人会議による一発撮りは非常に簡単ではあるものの、画質や音質は悪くなります。音声は仮想オーディオデバイスやきちんとしたマイクを使うことで良くすることもできますが、操作は複雑になります。上記のように音声系統が複数ある場合は、こうしたデバイスの操作に慣れていない人がやるのは難しいと思います。
特にパワポの資料の中に動画が入っていたりすると、著しく画質が落ちますので、私のような映像メインの講義では現実的ではありません。

あと、講師の映る小画面も右上に小さく固定されてしまうというため、PowerPointの資料は右上を開けておく必要があるといったレイアウトの不自由さがあります。ただし、これはレコーディング設定で回避できますが、それはそれで共有画面外の右上に固定されてしまいます。

また一発で90分ミスなく録画するのは、どんなにオンライン講義に慣れている先生でも難しいはずです。やり直すのも大変なので、結局はPremiereなどを使って自分で編集しないといけなくなるでしょう。

しかし簡易的とはいえ、簡単にe-learning動画を一人で作成できるZOOMはすごいと思います。正直、iPadやiPhoneの画面までAirPlayで簡単に共有できるのには驚きました。長年、Reflectorを使っていましたが、全く不要なのですね。
ただ、ZOOMはあくまでオンライン会議のためのツールなので、基本的にはe-learningコンテンツ作成にふさわしいとは言えないでしょう。教員個人で作る分には構わないでしょうが、当たり前ですが組織としてオンデマンド講義を作れるレベルでは使えません。
PowerPointやZOOMを使った講義動画の作り方は、大阪府立大学高等教育開発センターのサイトが参考になります。

ZOOMをピクチャ・イン・ピクチャとしてのみ使う

私のようにQuicktimeによる画面キャプチャで作成する場合は、ZOOMは必須ではないですが、部屋の中がごちゃごちゃしているので、バーチャル背景を使うためだけにZOOMによる話者の小画面を画面内に配置しました。これもまたZOOMの優れた機能です。
部屋の中が気にならないようでしたら、ZOOMを使うことことは、マイクやスピーカーが干渉する恐れがあって設定が複雑になるので、基本的にはQuick Cameraといったもっと軽いMacのインカメラアプリを使えばよいと思います。

オンデマンドの講義動画はどのように作るべきか

さて、オンライン講義動画の作成手法には、様々な手法があるとは思いますが、私はあまり話が上手ではないため、コメント欄に原稿を書いた上でPowerPointのナレーションを事前に入れておきました。丁寧なので聞く側には良いと思うのですが、作る側としてはかなり時間がかかると思いました。テレビ番組でいえば、生放送と収録番組の違いみたいなものです。生放送は本番は大変ですが、ポスプロの手間が省けるのでその後は楽なのと一緒です。
なんだかんだで資料だけ作って教室で一発で話すのが一番楽なのは間違いないでしょう。一人でモニターに向かってしゃべるのは難しいのですが、なぜか教室で受講生に向かってしゃべるのはそれほど難しくはありません。話す相手が物理的に存在しているかは、話し方や内容の質に大きく影響するといえます。

結論としてはZOOMによる一発撮りか、Macの場合はちょっとハードルは高いですが、Quicktimeによる画面キャプチャが良いと感じました。WindowsはMac以上にBandicamなどのソフトが充実していると思うので、まだ試してはいませんが様々な手法はあるだろうと思います。
あとPowerPointのスライドショーを書き出してできる動画ファイル(MP4ファイル)は、Premiereでは映像と音声がずれてしまってうまく編集できないというエラーがよく起きます。この現象には毎回、結構困っていますが、やはりPremiereによる後編集は必須です。
実際にやってみると様々なエラーが起きて大変なのが、こうした動画作りの常ですね…。

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