ワクチン接種率が上がり少しずつ日常を取り戻してきたという状況を反映して、今後、リアル会場とオンライン配信をつなぐハイブリッド配信のニーズが増えてくると思われる。
昨年度、所属部署で購入機会を逸したBlackmagicdesignの「ATEM mini Pro」と、ZOOM(オーディオ機器メーカーのほう)の「PodTrak P4」を使って9/25にYouTubeでLIVE配信を行った。北海道大学ホームカミングデー文系4部局合同企画シンポジウム公開講座「コロナ禍を考える」の配信で、司会が2名、登壇者は4名、無観客という状況である。
ATEM mini ProもPodtrack P4も4系統の入力端子がある。ATEMには2カメ+講師PC、事務局PCの4つを入力した。音に関しては、大学の場合はすでに音響設備が教室ごとに整備されているケースが多いため、そのまま教室のマイクやスピーカーを使ってSUB OUTからP4にミックスされた音をもらうか、直接、ATEMに流すのが良いだろう。
ただATEMだとひと目でわかりやすい音量調節つまみがないのと、どうもMic入力しかないようなので、やはりここはいったんデジタルオーディオミキサーを入れたほうがノイズも少ないし操作もしやすい。今回はSUB OUTからRCAケーブル−ミニプラグ変換でPodtrack P4の3ch(スマホから入力可能な端子)に入れた。Podtrack P4の場合、SounPadというボタン一発で登録済み音源を出せる機能もあるので、BGMも流しやすい。
ATEM mini Proを操作するATEM Software Controlから直接配信など様々なことができるようだが、今回は慣れたOBSを使った。テロップや看板はPowerPointで職員の方に作ってもらってOBSから出すことにした。原始的ではあるが、最もかんたんな方法である。
文学部の事務局と実施したのだが、担当された職員の方は結構、マスターできたと思うので、今後、何度か経験を積めば2人体制くらいでできるようになるのではないか。今後は私自身も Software Controlとイーサネットケーブルで旗艦PCとつないだ直接配信を試してみたいと思う。
今回、コロナ禍の状況に対して、北大教員が文系の視点で本音で語るというイベントで、内容も十分面白かったので、もっと広く見てもらえればと思った。
LIVE配信自体の垣根はだいぶ下がってきたが、どんなイベントでも同じで、集客やマーケティングは課題である。今回の場合、事前打ち合わせで先生方に自由にディスカッションしてもらって、なんか面白そうだなと思わせるような予告動画を作って、それをTwitterやFacebookなど各種SNSで流すのも有効かなと思った。話題作りがないと、北大の研究に何となく興味はあっても、いきなりポンと本番には入ってきにくいかもしれない。とはいえ、予告編だけ徹底討論風で、本番になると淡々と進んでしまう可能性もあって難しいが。
これは大阪で年明けに企画されている私の市民講座でも同様で、職員の方に広報をおまかせしてしまっているが、やはり集客に苦労されているようだ。いずれにせよ、これは面白そうだな、見てみたいと思わせるショートムービーみたいなものも今後は考えていきたい。
2021/9/26