地方創生と科学の番組

今年はたまたま地方創生の専門家の方と動画制作で協働できそうなので、地域やまちづくりをテーマに学生たちと活動をしたいと考えている。その方と打合せしていて、そういえば自分も自然番組や科学番組以外にも、「新日本紀行ふたたび」というドキュメンタリーもたくさん作っていたなと思い出した。もしかしたらサイエンスと地域取材が自分の二本柱なのかもしれない。

那智の滝(本文とは関係ありません)

地域がなぜ身近かといえば、私もそうだが誰でも登山やキャンプ、釣り、温泉旅行などで地方を訪れることはあるだろう。道の駅で特産品を買ったりもするし、博物館に寄ったりもする。田舎出身の人も多いし(私も姫路のはずれ出身)、多くの人にとっても地方創生は身近なテーマである。また歴史や地理、都市計画は当然として、地球科学や植物、動物学なども、地域風土とのつながりが深い分野だ。そうした地方と科学がクロスオーバーしたところを狙ってヒットしたのがNHKの「ブラタモリ」だろう。

ブラタモリの視聴者がみんな地理や地形学が好きかというとそうではなく、入り口は旅したことのある地域やなじみの地域、自分の住んでいるエリアだからということでまずは見る。そして、あの特徴的な岩にはこんな意味があったのかと改めて感動する。一般市民の「旅や観光」という身近な文脈から、地球科学や歴史学に巧みに誘うところがあの番組のすごいところである。またまったく予備知識ゼロで臨むというタモリもすごいが、専門家を含めて完璧に準備する制作陣もすごい。

というわけで、今年は地方創生に関わる動画を作っていこうかと考えているところだが、可能ならば科学技術要素も時々入れてブラタモリ的な演出を狙っていきたい。

2023/2/28

北の果て一人生きる

NHK総合で1月3日に放送された漁師のドキュメンタリー「北の果て一人生きる 浜下福蔵92歳」。日本最北の離島・礼文島のさらに最北の鮑古丹(あわびこたん)という地区で生まれ育ち、体力の問題で引退した老漁師を描いている。朝から海や自然を見つめ、毛筆で自作の詩をしたためる。素直で力強くありのまま感じたことを筆で表現するのだが、その詩が素晴らしい。

©NHK

特にラグビーでの挫折を抱えた大地さんという若者と仲良くなるシーンが心に残った。彼は昆布漁の短期アルバイトで鮑古丹にやってきていた。若者たちから孤独を癒やしてもらい、力をもらっていることを福蔵さんは感じていた。

「底知れぬ力をもって(礼文島の)花が”大地”に顔を出す」「なんだこの男は大地?俺の書いているのと同じではないか」「それもそのはずご両親が喜びあふれて、この子を誰よりも良い者に育て、良い者になって欲しいと」思いを込め君に名付けたのだと。そんなことを詩で伝えていた。それまでニコニコしていた大地さんも顔が引き締まった。

なかなか良い詩になったと思ったのか、「今の録音してた?」と聞くところもお茶目だ。「いや、撮ってないけど、今のはテレビカメラで撮れてる」と大地さん。

たったひとりで最北の港をずっと守り続けているので、福蔵さん自身はもはや達観して孤独を感じなくなったのかと思いきや、最愛の妻を失った孤独は今も全く癒やされておらず、寂しくて泣く日もあるという。しかしこうした若者たちとの出会いを経て、最後は「強くなければ生きていけない」と夕闇の海に向かってつぶやく。

こんな厳しい環境での生活は自分には到底できないが、我慢も多かった若い頃と違って、年齢を重ねて徐々に自由に生きられるようになってきた。仕事は全然違うものの、福蔵さんを見習って、他者や自然から生きる力を得ながら、シンプルに生を楽しめればいいのだということを教えてもらった。

1/10まではNHK+で見られるのでどうぞ。

2023.1/7

海をきれいにするな?

岡山県倉敷市、瀬戸内海の海でノリの不作が続き、コンビニでもノリを使わないおにぎりが4割に増えてきているという。確かに最近、ノリって意外と高いなと思っていた。
瀬戸内海は高度成長期に赤潮によって瀕死の海といわれたが、行政や企業が排水の水質改善に取り組み、瀬戸内海では窒素の量は1/3まで減少したという。その結果、窒素やリンといった海中の栄養塩が減ったことがノリの色落ちを招いた。他にも魚や貝もプランクトンなどの餌が育たないため減少した。海がきれいになったのは喜ばしいが、漁業者にとっては複雑で、古くから漁をしてきた男性は「海が泣きよる」と話していた。

NHK地域局発@okayama▽きれいな海から豊かな海へ転換期迎えた瀬戸内海 
20210年5月18日午前10:15-10:40 ©NHK

北大を卒業しNHK岡山局でディレクターをしているSHさんが制作チームの一員だったということで連絡をいただいたのだが、私が筑波大学の自然保護寄附講座でやっている科学コミュニケーションの授業にも関連していたので興味深く拝見した。まだぎりぎりNHK+で見られるのでぜひ上の画像のリンクから見てほしい。
 

排水をあえてきれいにしない

いまは岡山県の児島湾につながる下水処理施設で、排出される窒素の量を基準の範囲内で増やしているそうだ。これまで家庭などからの排水はバクテリアの働きで窒素を取り除いていたが、その働きを弱め、90年代の水準まで窒素の量を増やし、ノリの色落ちを防ぐことができるか調べる。もちろん、窒素だけが色落ちの原因ではない可能性もある。また季節ごとの管理によって赤潮になる心配はない

しかし同じ行政でも環境管理課や観光に携わる人からは、きれいな海が汚れてしまうのではないかと心配する声が上がる。シーカヤックのガイドの方はツアー客が最も感動するのは透明な瀬戸内海であり、観光への影響を懸念する。私もこの方がガイドをしている牛窓に家族みんなで旅行に行ったことがあり、今でも良い思い出になっている。
 

どんな自然を理想とするかは人によって違う

これは自然環境保全を巡る価値判断の問題であり、どんな自然環境が望ましいのかが人によって違うため共通の理想像を作りにくいことを示している。かつて2005年に私が六甲山でさわやか自然百景をディレクターとして制作したとき、可愛らしいという視点だけでイノシシやうり坊を紹介するのはいかがなものかと感じ、そこからずっと気になっていたことでもあった。

科学技術社会論で「専門家だけで決められない価値判断を含む科学技術の問題」のことを「トランス・サイエンス問題」という(詳しく知りたい方は大阪大学の小林傳司先生のこの論文などを参照)。原子力や生殖医療などがその典型だが、時代が変化することで環境保全や自然保護もトランス・サイエンス問題の一つになったといえる。
どのような状態が最も最適な自然環境なのか、過去のいつ頃の自然を目指すべきなのかは専門家だけで決定できず、地域住民や関係業界団体、行政、NPOといった利害関係者で合意をまとめる必要がある。

例えば、生物多様性と水質環境のというのはどちらも高い・きれいというのが望ましいわけだが、「水清ければ魚棲まず」と言われるように、この要素は相反することがある。もちろん高度成長期のように徹底的に汚染されている場合は水質の改善がそのまま生物多様性の向上につながるわけで、私が学生の頃は自然保護にそれほど複雑なニュアンスはなかった。つまり破壊されてしまった、あるいは破壊が進行中の自然をとにかく守り復元していく方向性が明確だったわけだが、1990年代頃から自然環境が少しずつ改善され、例えば瀬戸内海では水質を上げることで水中の窒素やリンが不足し、生物にとっては住みにくい環境になってしまった。

原生林が素晴らしいことは自明であるかのように言われることがあるが、実際の原生林は湿度が高く、虫も多く、必ずしも誰もにとって快適とは言えない。中央アフリカの熱帯林にしばらく滞在してニシローランドゴリラやチンパンジーを撮影したことがあるが、ツェツェバエやハリナシバチ、アフリカミツバチなどに付きまとわれ、必ずしもいつでも気持ちよいわけではない。
もちろんこういう環境が大好きな研究者や保全活動家の方々もいるが、一般的な感覚とは言い難い。つまり、絶対的に減っている原生林を増やそうという合意はとれても、それが自らの生活空間に及ぶと、そうも言い切れなくなってくる。
  

異なる立場の人々が対話する

このように立場によって意見が異なる問題の合意を作るのは難しい。番組はこうした科学コミュニケーションの問題まで切り込んでいた。広島大学の松田治先生によれば、これから目指すべき理想状態というのは実際は社会条件、その時々の自然環境によって変化するため、いつ頃の自然に戻すべきかという発想ではなく、関係する人々で地域の実情に応じてどんな海が良いのかを考えることが大事だという。

こうした里山、里海づくりには、自然科学の専門家だけでなく、NPOやコミュニケーションや合意形成のプロも入って様々な立場の人の異なる意見や取り組みを集約し、地域ごとに合意を作っていくことが大事である。こうした問題にまず取り組むのは地域の自治体だと思うが、早い段階でこうしたNPOやプロを入れて意見を集約していくのが望ましいと思う。今回のNHK岡山局の番組はこうした地域の取り組みの事例として参考になる。

2021/5/22

NHKスペシャル「被ばくの森 2021」

以前お世話になった苅田ディレクターと中井プロデューサーが担当していたので、じっくりと2回ほど見た。
不謹慎だがと断って研究者が述べていたように、福島第一原発事故から10年たって低線量被曝が野生生物、ひいては人間に対してどのような影響があるのか、期せずして壮大な実験圃場となっているのは間違いない。私も正直なところ被曝がどのような生理学的な変化をもたらすのか興味がある。
番組では、原発事故に翻弄されながらも調査に協力する被災者らの人間的な側面もあわせて描いている。まだNHK+で見られるのでぜひ見てほしい。

NHKスペシャル「被曝(ばく)の森2021 変わりゆく大地」2021.5/9(日) ©NHK
野生動物に占拠されてしまった帰還困難区域

野生動物が街中を闊歩し無人の家を荒らす映像によって、自然が秘めたたくましい生命力を見せつける。被災者には悪夢のような光景だが、ドローンによる無人の帰還困難区域を映した映像が美しく印象的だった。空撮による移動ショットの中で、時間経過をフェードで表現するなど凝った映像も多かった。
またキツネとイノシシが接触しそうになる映像もあった。基本的に別種の中型哺乳類が、野生の環境で遭遇するのを見かけることは極めて稀であり、野生動物の密度が高まっていることを象徴するシーンである。
もちろん注目すべきは映像のすごさだけではなく、福島第一原発事故から10年経過しての放射能被爆の生物への影響評価をコンパクトにまとめてくれていることである。以下にまとめる。
 

不気味な変形を見せる針葉樹

原発事故の後2〜3年の間に芽吹いたアカマツに限って枝分かれが非常に多い異変があったことが、福島大学のヴァシル・ヨシェンコ先生らによって確認された。なぜか幹が発達しない。マツの他3種類にも事故直後に異変が見られた。帰還困難区域のアカマツはオーキシンの濃度が低くなることが原因と考えられている。
放射能による汚染は目に見えず被害が分かりにくいのが特徴だったはずだが、目に見えて形に異常をきたしていることが分かるのは非常にインパクトが大きいといえる。
 

山にいなかったはずのクマが出現

東京農業大学の山崎晃司先生らの調査で、浪江町のセンサーカメラに、阿武隈山地周辺では生息しないと考えられていたツキノワグマがこの3年で3回、捉えられた。2020年7月、飯舘村の林道でツキノワグマの親子に遭遇した地元の人の映像で、このエリアではじめて子育てが確認された。繁殖の中心になる集団が阿武隈山地に定着している可能性が高く、増えて分布域を広げるのは確実だという。ツキノワグマは10年で5倍に増える繁殖力をもっていて、今後も人里を脅かしかねない。
ちなみに阿武隈山地のセンサーカメラで高標高地に外来種のアライグマが見つかっていることも分かった。コロナ禍で少し人が外に出なくなると、すぐに動物たちが進出してくるのは世界共通の現象であり、昨年は北大でも久しぶりにエゾシカがキャンパスに入り込んだ。キタキツネも街なかに姿を見せるようになってきている。
 

初期被爆のサルに癌化などの兆候は現時点では見られず

東北大学の福本学先生のニホンザルの初期被爆に関する調査。サルの寿命はおよそ20年なので10年経過したサルの体内で起きる変化は人への影響を推測しやすい。
2021年2月有害駆除されたニホンザル648匹目の解剖の様子も紹介されていた。空気や餌から大量の放射性物質を取り込んでいた。甲状腺には放射性ヨウ素131が集積し、癌の原因となるが、半減期が8日と短いためヨウ素131はすぐ消えてしまう。そこで半減期の長いヨウ素129に目をつけた。原発事故で22(ヨウ素131)対1(ヨウ素129)の割合で発生したと推測されている。
ヨウ素129を使って、初期の被曝量を7匹で推定したところ、汚染された餌によって1000ミリシーベルトに達した高い被爆をしていたと思われる3匹がいた。しかし、甲状腺の細胞組織を精密に分析したが、今のところ癌は見つかっていない。
 

サルの染色体に異変見つかるも回復傾向

弘前大学の三浦富智先生は、サルの染色体に異変を見つけた。2つの色が混じり合ってるように見える。切断された2本の染色体が入れ替わって再結合した「転座」と呼ばれる異常で遺伝子を変異させることがあるという。染色体で遺伝子の変異が蓄積し続けると、細胞が癌化するリスクがあり、非汚染地域に比べ2.5倍の頻度であった。
だが、その発生頻度は最近になるほど減少していて、回復しつつある。これもまた野生動物のもつ生命力というものなのかもしれない。
 

被爆したイノシシも環境に適応しつつある?

宮城大学の森本素子先生はイノシシの免疫への影響を調べている。旧避難指示区域のイノシシは汚染されていない兵庫県のイノシシと比べ、免疫を強化するサイトカインという物質の関連遺伝子が10倍活発になっていた。
慢性的な低線量被爆を繰り返すイノシシの体内では、小腸の内側の無数の免疫細胞には放射線によるストレスが常にかかる。遺伝子は免疫活動を強化するためにサイトカインを作る司令を出す。
サイトカインが暴走するとかえって体にとってはリスクとなるが、イノシシの小腸では現時点では目に見えるような変化は起きていない。放射線の影響は受けているが、生理学的な範囲では対応できているという状況だという。これもまた生物の適応力なのだろうか。
 

ネズミの精原細胞が増えている

新潟大学の山城秀昭先生によると、被曝量が多いアカネズミほど精原細胞が増えていることが分かった。よく見ると精原細胞は二層になっていて、被曝量が少ないネズミより数が多い。低線量の刺激で何らかの増殖機能が働き増えたようで、種を保つための反応といった生命現象の一つだと思われる。だが最終的にできた精子の数と受精能力は被曝量に関わらず、変わらなかったそうだ。
 

被ばくの森の今後

東京農業大学の上原巌先生は、事故直後から汚染された森林の再生について研究してきた。注目しているのは新たに芽吹いた樹木。日陰に強い樹木が生えてきていて、セシウムはほとんど含まれていないことが分かった。セシウムは土壌に強く吸着され、根からの吸収が抑えられているのかもしれないとのこと。一時は絶望視されたが、被爆の森における一つの希望として紹介されていた。
 

故郷を奪われながらも調査に協力する被災者たち

住む家や土地を汚され、仕事も奪われた被災者らの絶望は、お金で解決できるものではない。せめて科学的な調査には協力しようと尽力してくれている姿には本当に頭が下がる。
人生を賭けて森を育てきた林業家や、被爆した牛を見捨てずに世話してきた酪農家。もう出荷できない放射能に汚染された牛だが安楽死させるのはかわいそうだと、研究のサンプルに提供することもあるという。
原発事故後、駆除されたイノシシは6万頭に達した。イノシシによる被害は大きいが、檻の中にいる小さな子どもを殺す時は本当に涙が止まらなかったという猟師の言葉は重い。動物たちもまた被害者だ。

研究者は「汚染地の状況は50年、100年先を見越してどういうふうに向き合っていくかが必要だ」と語っていた。放射性廃棄物は処理に何万年もかかり、こうした科学者らによる継続的な研究が生かされる日がくるのかもしれない。

2021.5/11

デザインの重要性

今回の研究紹介映像はデザイナーの方に入っていただいて作った。予算的にも時間的にも余裕がないとできないので、良い機会となった。ただ全体構成にも影響するので、早めにデザイナーの方に入ってもらったほうがよいかもしれない。
単にテロップやCGをスタイリッシュにする、親しみやすくするといった機能にとどまらず、映像全体の構成、何なら取材の方法にも影響するからだ。

https://www.hokudai.ac.jp/news/2021/01/post-781.html
実際、今回は続編の余市果樹園の方は編集を変えて1分程度、新たなシーンを付け加えることになった。「●●先生が目指す未来とは?」というエンディング前の要素である。フォーマットとして統一感をもたせる意味もあるが、映像構成としても締まった。

2020年2月に伝統的なドキュメンタリー番組であるETV特集で、「おいでや!おやこ食堂へ」という番組があった。ETV特集で子ども食堂といえば、いかにも外国人労働者やシングルファザーの苦境を描いた、みたいな番組構成が容易に想像されるが、以下サムネイルを見るとそういうベタなドキュメンタリーとはちょっと違うことが分かるだろう。

©NHK

https://www.nhk.jp/p/etv21c/ts/M2ZWLQ6RQP/episode/te/3RJ25QZ622/
どっちが先か分からないが、映像デザインによって撮影方法や編集もちょっと変わっただろうと思う。例えば、通常の大きいテレビ取材用の業務用カメラでなく、一眼レフの質感の方が合いそうだ。

私たちの場合は、仕上げ直前にデザイナーに入ってもらったため余裕がなかったが、実際はつけるBGMや取材方法も変わったかもしれない。例えば車でいえば、デザインによって、内装のみならずエンジンやトルクなどのフィーリングといった走りそのもののコンセプトまで変わるということでもある。

カメラマンにもいろいろなプロがいるので、あえてスチルのカメラマンを使ってみるとか、編集マンもCMの方を起用してみるとか、関わるスタッフによってできるドキュメンタリーに多様性が出てくるかもしれない。

ここからは余談となるが、じゃあ編集にMacまたはWindowsを使った場合で違った映像になるのだろうか。使っているのは同じAdobe Premiere Proである。うまく言語化できないが、使用ツールもコンテンツの内容に影響するのではないだろうか。今回は事情があってカット編まではWindowsで作ったが、仕上げはいつもどおりMacにした。

しかし、そのような使用ツールによらない普遍的な名作というのもあるだろう。鉛筆や万年筆で描かれた名作の元原稿はそれ自体に作品性があってアートのようにも感じる。そういう内容そのものが力強い作品にも惹かれるものだ。

2021/1/27